こんにちは、ムギです。
今回は「厨房・台所は神社のように扱いなさい」をテーマにお話しします。
これは僕が飲食店で働くときも、自宅で料理を作る時も心掛けていることです。「掃除すればいいんでしょ」と思うかもしれませんが、それだけではない深い意味があります。
日本では昔から台所は神聖な場所と言われています。料理をすることがとても神聖なことなのです。
冷蔵庫もない、今のような水道もない、衛生管理や食中毒なんて言葉もない時代に料理することの難しさは現代の私たちには想像することすら難しいかもしれません。
食中毒で苦しんでも今のように医療が誰もが受けられる訳でもなく、今のような治療が行われるわけでもありません。食中毒が原因で亡くなった方も多くいたでしょう。(徳川家康やブッダも食中りが原因で亡くなったと言われてますね)
”食べる”ことはまさしく命がけなのです。だからこそ、今日も食事が得られる、健康で生きられることに感謝し、「いただきます」という言葉があるのです。
食べる側も命がけなのですから、作る側にもそれ相応の責任が伴います。「心して掛かる」その意識が神社のように扱いなさいという言葉に表されたのでしょう。
具体的にどういうことでしょうか?
- 朝は台所に入る時に手を合わせて一礼、清めから始まる。
- 料理中はしゃべらない、音も必要以上にたてない
- 食材の溜め置きはしない、ちゃんと循環させる
- 料理道具、食器を大切に使う。包丁もきちんと研ぐ
- 食卓をきちんと整える
- 整理整頓をする
- 流し周りから床まできちんと掃除する
いかがでしょう?神社のように扱おうとするとかなり気を使うことが多いでしょう。そして、テクノロジーが発達した現代でも通じますね。
主婦の方も大変な思いをしながらも日々台所を守ってくれています。また、お坊さんも修行の一環として料理をします。こういったことを心がけているところは、自然と食べる人も作る人も幸せにしてくれます。
では飲食店ではどうでしょうか?
まさしくこれを体現しているのは東京都港区三田にある「コート・ドール」の斎須政雄さんだと思います。『調理場という戦場』という本も出していますが、こちらは渡仏してから帰国し、自分の店を持つにいたるまでが書かれています。僕の尊敬する料理人です。
こちらの斎須さん、店では一日に4回スタッフと掃除するそうです。床から排水溝まで毎日ですからとても大変です。料理雑誌にも写真が出ましたが、店内は本当に綺麗です。
食べに行ったことがある方は分かりますが、この方の料理はシンプル、かつ奥深い。まさしくフランス料理の名店です。
そしてお弟子さんも多く輩出しています。食材への向き合い方、スタッフやお客様への向き合い方に裏がなく、時に厳しくも思いやりに溢れている。そんな斎須さんの人柄も料理から、そして店全体から溢れています。料理人ならこうありたいと思える方です。
もちろん知らないだけで他にも素晴らしい方は多くいます。そして、そういう方の店は人を幸せにします。やはり”神様”に守られるのでしょう。
ちなみにレストランに神棚があるところもあります。ただ僕がこれまで言っている意味は神棚を設置しなさい、とか宗教組織への勧誘ではないことはここまで読んでくれた方は分かってくれると思います。
日本に古くからある教え・学びを生かさないのはもったいないです。料理する者への心構え、台所・厨房の扱い方、仕事の仕方を忘れてはいけません。衛生検査、衛生管理のためだけの衛生であっては、本当に大切なこと・意味は分からないままになります。
2020年、ウイルスにより営業規制・短縮をしていて多くの飲食店が苦しんでいます。閉店を余儀なくされた所も多くあります。
今営業しているところには本当に負けないで欲しい。
だからこそ、飲食店の社会的使命である”人を幸せにすること”を思いだし、「そんなこと、こんなこと、綺麗事」と言わずに足元から見直して欲しいのです。
どうか、神様のお導きがありますように
参考文献
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