合理的だから相手を”信頼”するのか?

こんにちは、ムギです。

今回は「ゲーム理論から学ぶこと」をテーマにお話しします。

「ゲーム理論」とは、相手の行動を合理的に予想しながら、互いの意思決定・行動の相互依存メカニズムと、その帰結を分析するものをいいます。

「相手がある行動を取ったら、自分はどう行動するか」あるいは「自分がある行動を取ったら、それに対して相手はどう行動するか」を予測し、まるでゲームのように得点を稼ぐというイメージでしょうか。

心理学のようにも見えますが、経済学の理論です。しかしながらその内容は経営学、社会学さらには数学なども関係しており、様々な場面で考えることができる面白い理論でもあります。

そもそもを考えれば個人の人生においても、企業の経営においても”選択”の連続です。特に”利益”に関わるような問題については、やはり個人にとっても企業にとっても、自分(自社)にとって最も高い利益になるような選択をしたいはず。

しかし、それは相手にとっても同じ。そうなると自分の利益を最も高くしたいと思っても中々上手くはいきません。

それを表す言葉として”ナッシュ均衡”というものがあります。お互いが利害関係を重視するあまり最も効率が良い選択ができず、両者とも合理的な選択だと思える立場で均衡がとれている状態を指します。

これだけだとよく分からないと思いますので、その現象を説明するものとしてさらに「囚人のジレンマ」というお話があります。

「囚人のジレンマ」という話は聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?これは思考実験としてよく用いられる話になります。以下説明します。

二人組の銀行強盗が警察に捕まって別々の部屋で取り調べを受けていました。検察官は二人の容疑者に対して次のように迫ります。
「もし、両者とも黙秘を続ければ証拠不十分で刑期は1年。二人とも自白すれば刑期は5年。相方が黙秘を続けているとき、お前が自白すれば捜査協力の礼としてお前は無罪放免、相方は刑期10年だ」と。

 このとき囚人はこのように考えるはずです。
「もし相方が黙秘する場合、自分が自白すれば無罪放免、自分も黙秘すれば刑期1年で、この場合自白した方がいい。
 一方、相方が自白するのであれば、自分も自白すれば刑期は5年、自分が黙秘すれば刑期10年で、こちらの場合もやはり自白した方がいい。
 つまり、相方が自白しようが黙秘しようが、いずれの場合でも自白が合理的だ」

 結果的に二人の囚人はそろって自白し、どちらも5年の刑を受けることになってしまうというお話。

利益を最大化するための合理的な戦略を採用した結果、必ずしもプレイヤー全体での利得は最大化されないという話になっています。

「囚人のジレンマ」は一回だけの意思決定ですが、これが繰り返しとなるとまた話が変わってきます。つまり、「協調」か「裏切り」か?この判断を何度も繰り返す「繰り返しの囚人のジレンマ」ゲームです。

このゲームでは、プレイヤーはそれぞれ「協調」と「裏切り」のカードを持っていて、合図と共に同時に相手にカードを見せ合います。
 もし二人とも裏切る場合、二人とも1万円の賞金を得る。もし二人とも協調すれば二人とも3万円の賞金を得る。もし、一方が裏切り、他方が協調すれば裏具った側に5万円の賞金が与えられ、協調した側には何も与えられません。
最も高い賞金を得るためには、どのような選択を行うべきでしょうか?

皆さんはどのような選択をするのが一番良いと思いますか?これを何回、何十回と繰り返す場合、どうするのが一番高い賞金を得られると思いますか?(自身でまず考えたい人はこの先に進まないでください)

実はお互いにずっと「協調」を選び続けていた方が一番賞金を高く得られます。なぜなら、一度でもどちらかが「裏切り」を選べばその相手はそれ以降ずっと「裏切り」を選ぶようになるでしょうし、そうするとお互いに1万円ずつしか賞金が入らなくなるからです。

このようなゲームにもさらにヴァリエーションがあります。特に経済学で考えるなら「協調」と「裏切り」のような極端なカードではなく、「現状維持」か「値下げ」又は「値上げ」か、「現状維持」か「拡大」又は「縮小」か、はたまた「現状維持」か「改革」か「撤退」かなどになるでしょう。

ビジネスでは業界ごとでパイの大きさは大体決まっており、その中で利益を取り合っているのが現状。どこかが儲かっていればどこかは利益が減る。皆が皆儲かるなんて状況はなかなかありません。お互いが影響しあう中で、それぞれが選択を行います。そこを無理矢理こじつけて利益相反を行えば、談合やマッチポンプとなり法律違反に該当することもあります。

やはり、上記の「囚人のジレンマ」や「繰り返しの囚人のジレンマ」ゲームを参考にすれば、「現状維持」「協調」が最も適した判断のように思えます。ただ理解しておかないといけないことは、合理的な判断の上での「協調」であり、自社の利益を最大化していることではありません。

特に業界全体が沈んだ雰囲気の時は「いちぬけ」したいものです。その環境下では「協調」や「現状維持」以外の選択肢を選ばないといけない時もくるでしょう。自由な競争とは、各自が他のプレイヤーに良い顔してもしなくても、「協調」も「裏切り」も同じぐらい自由に選べることでもあります。

そしてそれは相手にとっても同じこと。それをまず理解することが競争社会における”信頼”への第一歩なのではないでしょうか。

強気な戦略が必要なタイミングを、逃してはいけません。それが、自身が持つ従業員、顧客への”信頼”を守ることでもあると、私は思います。

現代社会は様々なものに囚われている社会です。しかし、あなたは”囚人”ではありません。

一人のプレイヤーとして物事を見る観点も、必要なことではないでしょうか。

投稿者: 麦ブログ

介護施設の事務員として働いてます。現在行政書士資格取得のため勉強中。

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