どうして私たちは”外食”に行けるのか?

こんにちは、ムギです。

今回は「飲食店の衛生管理」をテーマにお話しします。3分では読めませんので、時間があるときかページ毎に読んでいただければ幸いです。

飲食店において大事な要素として「QSC」が挙げられます。QSCはQuality(クオリティ)、Service(サービス)そしてCleanliness(クレンリネス)の頭文字をとったものです。

「クオリティ」はそこで提供される料理・飲み物の質と、その量・価格のバランスのことです。飲食店の主役なので、直接顧客の満足度に関わります。「サービス」はその名の通り接客やその他サービスを言います。最近はセルフサービスやタッチパネル、ロボットを導入するところも増えては来ていますが、それでも接客の良いところに行きたいと思う気持ちは変わりません。

しかし、一番求められるのはそもそも”安心・安全”であることです。それに関わるのが店舗や従業員の”清潔さ”である「クレンリネス」です。当たり前すぎて普段はほとんど指摘されませんが、飲食店や食品会社が何か食品衛生事故を起こせば店舗、さらには会社の存続が危うくなるほど責められることもあります。

飲食店含む食品を取り扱う事業者は「食品衛生法」及び「食品衛生法施行規則」の遵守を求められます。

飲食店を開業したい場合は所轄の都道府県に届出を出し、許可をもらうことが必要なのはもちろん、食品衛生責任者の選定、そして食品取扱事業者としての責任を負うことになります。

食品衛生法第60条では「違反した場合においては、許可の取り消し、又は営業の全部若しくは禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる」と記されています。主な処分基準は以下の通りです。

(1)違反事実から判断して、営業を継続させることが不適当
(2)危害発生の状態が継続しているような場合
(3)営業停止期間が長期に及ぶような場合
(4)過去に同種の違反事実があり、再度、違反の可能性が高い場合

もちろんこれは食中毒などの衛生事故や不祥事が起きた場合です。それ以外にも保健所による定期検査があり、そこでの判断が最低点であり、改善されない場合も同様です。

他にも飲食店では毎年主に厨房職員対象に検便検査も行われます。保健所の立ち入り検査も検便検査も頻度や対象者・内容などは、事業所の規模や分類によって異なることもありますので、所轄の保健所に従います。

検査の厳しさなどの違いも各保健所、さらには検査員によっても多少異なることもあります。とはいえ、衛生管理は年々厳しくなっています。

その中で食品衛生管理方法として「HACCP(ハサップ)」がありますが、令和3年6月よりすべての食品事業者に義務化されています。

「HACCP」とは「危険要因分析重要管理点(Hazard Analysis and Critical Control Point)」を表し、各原料の受入から製造、製品の出荷までのすべての工程において、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性のある危険要因(ハザード)を科学的根拠の基づき管理する方法を言います。

もともとアメリカのアポロ計画の中で宇宙食の安全性を確保するために発案されたものです。日本では2018年6月に制度化され、大規模事業者にて取り組まれていました。そして現在、大規模事業は「HACCPに基づく衛生管理」、飲食店などの小規模事業には「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」として義務化されました。

定められた手順と原則に則り、衛生管理計画を作成し、実施、それを記録・確認するといった流れになります。

食中毒予防の3原則「食中毒菌を付けない、増やさない、殺菌する」をもとに、食中毒菌やウイルス、さらには異物や科学物質の混入を防ぐ具体的な取り組みを実施します。以下に対策例を記します。

  • 原材料受け入れ時の管理(適温管理、冷蔵庫内の仕舞い方・分け方等)
  • 冷蔵庫・冷凍庫の温度チェック
  • 従業者の健康管理
  • 適切な手洗いの実施
  • 衛生的な作業着、ダスター(ふきん)の使い分け・漂白
  • 施設、器具等の洗浄・消毒
  • トイレの維持管理、清掃、消毒
  • 適切な食品への加熱(温度、時間の規定)
  • 加熱後・調理後の保管、非加熱で提供するものの適切な保管
  • 二次汚染・交差汚染の防止(ねずみ・害虫の対策含む)

これらの取り組み具合の差異はあれ、飲食店を含む食品事業者はこのような取り組みをしています。それは、「食べる」という行為が直接”人の命”に関わる行為だからです。だからこそ、飲食店を含む食品事業者は規模の大小に関わらず”社会的責任”を負っているのです。

そしてその責任をしっかり企業側が果たしているからこそ、私たちは普段何の抵抗もなく外食やテイクアウトができるのです。

しかし、これだけの衛生管理を行ってしても足りない時代になったようです。それはこれまでの飲食店の衛生管理、さらにはHACCPにもなかった観点、つまりは「お客さんによる食品汚染」の危険性が高まったからです。

(次ページ お客さんによる食品汚染を防ぐには?)

投稿者: 麦ブログ

介護施設の事務員として働いてます。現在行政書士資格取得のため勉強中。

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