不毛な争いと生産的な衝突

①相手の”文脈”を聞く

相手の話を否定せずに最後まで聞くというのもありますが、人にはそれぞれ”文脈”があることを理解するという意味でもあります。それがアメリカの人類学者エドワード・T・ホール氏が提唱した「高文脈(ハイ・コンテクスト)」と「低文脈(ロー・コンテクスト)」です。主な特徴は以下の通りです。

<高文脈>
・間接的・繊細な表現
・感情型
・信頼に重きを置く
<低文脈>
・直接的・対立的な表現
・相互交流型
・信頼はさほど重視されない

日本人はどちらかといえば「高文脈」な民族で、「行間を読む」「空気を読む」「伝統・しきたり」を重視します。だから他国から「何が言いたいか分かりづらい」「本音が見えない」ように思われます。さらには同じ日本人でも関東人と関西人でも違うように思えますし、大阪と京都でも大分違うように見えます。人によっても様々でしょう。

それと同じく、国や文化の違いによっても「交渉のやり方・進め方」も違います(海外の人と働く人は特にそこを把握しておいた方がいいでしょう)。だからある人にとっては回りくどいと思う言い方も、その人にとっては必要な議論の過程ということもあります。

しかし、限られた会議の時間ではそう長々と話されても困るのは事実です。そのため、ある程度”型”を決めるというのが効果的でしょう。プレゼンにも相手に伝えやすい”型”がありますし、意見を出す時の”型”というのも話し合いの前にある程度決めておいた方がいいでしょう。

具体的には「私は反対です、なぜなら~」や「◯◯においては賛成ですが、△△の部分については疑問が残ります。なぜなら~というデメリットがあるからです」のように結論を先に言い、理由を述べることや、不明点を具体的に指摘することが効果的です。

②意見対立しても”いい場”を作り上げる

反対意見を言うこと(聞くこと)の嫌な理由は、それを”言った(聞いた)後の空気”が怖いからという人は多いのではないでしょうか?

一度でも話し合いの中で攻撃的と思われる人が現れると、そこから場が一気に冷えるか、加熱して止められなくなる状況に陥りやすいです。こんな状況では言いたいことも言えず、無理に話が通ってしまうか、何も決まらず終わってしまいます。

「人間には本来、お互いに類似した反応をするという性質が根付いている」と本書では書かれています。相手の好意には好意で答えようとするし、逆に敵意と感じれば敵意で返そうとするといったことです。自分のことを嫌っている人を嫌いになるのもそういった反応からきます。

そうならないために取る手段としては、「クールダウン」「ユーモア」、又は「敢えてそのまま対立させる」です。

誰しも一番取り入れやすいのは「クールダウン」でしょう。小休憩を取ったり、少しストレッチさせたり。あまりにも激しくなるようなら、その対立している議題に関して敢えて別の場所でまた会議するなども以外と有効です。

また、ファシリテーター・スキルにも通じるものですが、一度議論をホワイトボードなりに整理してあげて、解決の糸口を見つけやすくすることも効果的です。

「ユーモア」も場の空気を変えるのは効果的ですが、かなりのテクニックが必要です。下手なことすると却って場を冷たくすることにもなります。ただ普段からムードメイカーな立ち位置の人なら良い塩梅にできるでしょう。誰でもやりやすいことと言えば「自分の失敗談」を話すことです。笑いもはさみつつ、デメリットを伝えることができれば、相手から共感を得やすいです。

もう一つの「敢えて対立させる」というのも一見怖いことかもしれませんが、”お互いの本音を吐かせる”と思えばチームのためになることもあります。

もちろんただの喧嘩や口論、罵倒になったら止めるべきです。そこを抑えさせ、上手く両者の本音を引き出せれば、今までの仕事の中で見えなかった相手の苦労や心情が見えてきます。そうしたら、お互いに寄り添った意見、お互いの意見を踏まえた上での代替案となり、建設的・前向きな議論になっていくでしょう。

「クールダウン」「ユーモア」「敢えてそのまま対立させる」ことは、どちらかといえばリーダーに必要なスキルや知識です。話し合いの中で、参加者の感情の起伏を読み取り、「激しくなりすぎない・冷めすぎない」ようにこれらを使ってみましょう。(3ページ目へ続く)

投稿者: 麦ブログ

介護施設の事務員として働いてます。現在行政書士資格取得のため勉強中。

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