こんにちは、ムギです。
今回は「適応機制を認める」をテーマにお話しします。
まずは皆さんにイソップ寓話にある『キツネとブドウ』という話を紹介します。
お腹をすかせたキツネが、ブドウ棚からブドウの房が垂れ下がっているのを見つけた。さっそく取って食べようとしたが、どうやっても届かなかった。
キツネは「あのブドウはきっと酸っぱい」と言って、そこを立ち去った。
この話は「人間もこのキツネと同じように、自分が出来ないこと・手に入れられないことを、時代や場所・他人のせいにする」ことを表しています。
こういった心理学的メカニズムは「適応機制」の中の「合理化」と呼ばれる作用で説明できます。
「適応機制」とは、不安や緊張などから安定した心理状態に戻すためにはたらく心理的な防御反応を言います。人は欲求が充足されず、心身ともに緊張状態(欲求不満状態)が続くと、心理的に不適応(過度なストレスによる諸症状)に陥りやすくなります。それを防ぐのが適応機制です。
そしてその適応機制には、先ほどの「合理化」の他にもいくつか種類があります。
「逃避・孤立」
恐怖や不安の対象に向き合わず、逃げる
「退行」
幼児期のような心の状態に戻り、依存的である一方で、他人のことを考えずにわがままな行動をとったりする。
「否認」
受け入れがたい出来事を事実と認識せず、あたかもその出来事がなかったかのようにふるまう。
「抑圧」
意識してしまうとつらく苦しくなるような事柄や自分の思いを、意識にあがってこないように、自分でも気づかないうちに無理矢理抑え込んでしまう
「代償」
自分が手に入れたい目標や名誉などが手に入らない場合に、その代わりになるような目標を代わりに手にいれる。
「補償」
自分がもっている劣等感に対して、ほかの側面で優越感をもつことができるようにする。
「合理化」
自分の失敗などを、それが必然であったとか、むしろその方がよかったなどのように、都合のよい理由を見つけて劣等感や失敗への否定的な感情を緩和する。
「昇華」
社会的に受け入れられない欲求を、芸術や仕事など、社会が受け入れることができるものに向ける。
「同一化」
自分では実現することが難しい欲求があるときに、その欲求を満たしている他人と自分が同じだとみなして、代理的に欲求を満足させる。
これらは子供から大人まで見受けられる行動ではないでしょうか?これらのどれが一番良くてどれが一番悪いということよりも、これらは”自分自身の心”を守るためにある作用なのだと理解することが大切です。ストレスの程度も様々ですが、トラウマレベルの強い心の傷や恐怖から守ることもあるのです。
高い目標を掲げ、人一倍努力することも確かに大事。でも、いつまでも「ないものねだり」をしたり、自分の存在を否定したりするくらいなら自分に嘘をつくことも必要な時もあると思います。諦めをつけ、自分の手の届くことをした方が良いこともあるのではないでしょうか?
ただ、他人のせいにするのは人を傷つけますので、自分の心の内だけに留めておいた方が良いでしょう。
そして上記のような行動をする人がいたら、「これは適応機制で、自分の心を守ろうとしているんだ」と理解した上で、感情的にならずに接しましょう。
正しいか正しくないよりも、まずは”気持ち”を理解してあげることが大事です。
相手の心も自分の心も強いとは限らない。
守るためにした”その嘘”を、許容してあげることも時には必要なのではないでしょうか。

「自分に嘘をつくことは悪いことか」への1件のフィードバック