こんにちは、ムギです。
今回は哲学の分野の中でも基礎とも呼べる「アリストテレスのロゴス・エトス・パトス」についてお話しします。
アリストテレスは古代ギリシャの哲学者であり、「万学の祖」とも呼ばれています。彼はプラトンの弟子であり、そのプラトンはソクラテスの弟子という系譜があります。
そんなアリストテレスの著書『弁論術』において説いたのが「ロゴス・エトス・パトス」です。
「ロゴス・エトス・パトス」は「人が本当の意味で”納得”して動くために必要な三つのこと」を表します。
”ロゴス(論理)”は人に説明する上で大事な要素であり、話の骨格になるものです。ロジックがきちんとしている人の話は難しい話でも整理されていて聞きやすく、曖昧性が少ないため解釈の間違いが少ないです。
しかし、論理だけの人の話を聞いて”納得”するでしょうか?
論理的に話している人は頭が良いように見えますが、話の内容が薄っぺらな人、結局自分のワガママを正論風にしているだけの人もいます。こういった方の話を聞いてこちらも「分かった」気になりますが、どこか腑に落ちない気分になることもあるでしょう。
「言ってることは正しいけど納得いかない」と感じたなら、その人に足りないのは”エトス(倫理)”です。
その人に他人を思いやる気持ちを感じられなければ、その人の言う通りにしようとは思わないでしょう。「道徳的にそれはどうなの?」という考えに人は反発します。
”ロゴス”があって”エトス”がある。これで大半の人を”説得”することができます。
「わが社はいついつからこのような企画をします。これはお客様への日頃の感謝を込めた還元祭でもあります。リピーターを増やし、かつ新規顧客の獲得にもつながるので皆さん頑張りましょう」
戦略的にも倫理的にも合っている。しかし、それが揃っていても反発する人はいます。
「ただ従業員が大変になるだけじゃないか」「もっと従業員に対する手当てをなんとかしろ」「結局利益のことしか考えてないでしょ」
”説得”は人を従わせることが出来ても心では渋々やっており、従業員の良いパフォーマンスを求めることや、従業員が働き甲斐をもって仕事するまでには至りません。
そこで必要になる最後のポイントが”パトス”、すなわちパッションです。
先ほどの同じ文章であっても、「この会社を良くしたい」「お客様に喜んでもらいたい」「従業員にいきいきと仕事してほしい」と本気で考えている人が話したら、何も思わない人に比べて全然違うように聞こえるでしょう。
パッションはただ熱くなれ、熱血であれとは違います。それはロゴスが抜けています。エトスが抜ければ「ああしろ」「こうしろ」というだけになります。パワハラと思われる人は冷静に自分の言動を見直す必要があります。
”パトス”はいわば”内なる情熱”です。何も語らずとも本当の”パトス”を持っている人の働きは周りの人に影響を与えます。
あなたの”パトス”による働きと言動が伝われば、あなたのパトスに共鳴した人が自ら動きだし、パトスの低い人もそれにつられるように動き始めます。”パトス”は正しい方向へ船を導く羅針盤のような働きをするのです。
強い”パトス”を胸に秘め、正しい”ロゴス”で頭を使い、清い”エトス”で身をつつむ。この3つが揃ってこそ他者が”納得”して動くのだと偉人は教えてくれます。
結局、自分の心と頭と体を動かしている人が、他者を動かし、社会を動かすことができるのです。
参考文献
参考記事
