こんにちは、ムギです。
前回の続きから、「今こそ読みたい『銃・病原菌・鉄』」をテーマにお話します。
本書の概要と”銃”、”病原菌”については前回の記事からお読みください。
今回は最後のキーワード”鉄”についての考察です。
「人類史の不均衡をもたらした」要因として著者はタイトルである『銃・病原菌・鉄』をキーワードとして挙げました。その中でも”鉄”は納得しやすいのではないでしょうか。
銃器や武器も鉄から作られます。それだけでなく、鉄により自動車や列車、船、飛行機なども造られ、それらにより移動手段も広がりました。工場などができることで生産性が上がるだけでなく、エネルギー量も急増しました。ヨーロッパ諸国の発展の源になったのはまさしく”鉄”と言えるでしょう。
ビジネスでもこういった”主力となる資源”は重要です。経営資源といえば人・モノ・金ですが、何を主力とするかは業界により違いはあります。
だからこそ、どこから仕入れるか、どこから資金集めをするか、どこから人材を確保するかが経営をする上で一番重要な選択であることは周知のとおりです。
しかし、同じような資源を持ち、同じような規模・条件にも関わらず優劣が生まれ、業界の中で勝ち負けが決まります。同じ店舗、同じ商品、同じような街で営業しているにも関わらず人気店と飛ばず鳴かずの店もあります。どこでこのような差が生まれるのでしょうか?
もちろんそれぞれの店舗や企業でそれぞれの要因はあるでしょうが、ずばぬけた企業に共通するのは「良い意味で”不統一”であり、常に競争がある」ということです。
「統一された企業」というのはワン・トップでワンマンか、完全にマニュアル化されているようなところです。指示もトップ・ダウンで伝わり、企業としてのスピード感やまとまり感があります。
その反面、新しいアイデアが生みにくく、従業員からの意見が通らないことが多くなります。同じような人間しか会社に馴染めず、新しい風が吹きづらくなります。保守的な傾向になりやすいです。
一方「不統一な企業」はいくつものチームのまとまりであり、多様性に富む企業を言います。自分のチームに貢献しようと仲間意識が強くなり、同じ企業内で競争が生まれます。チーム同士での競争は、一つにまとまっているだけでは実現しえなかった発想や行動を呼びます。それこそが競争社会の強みです。また、一人一人の役割を認識し、しっかり自分の意見を主張できるため、個人が成長しやすい環境であることも強みです。
もちろん「不統一」であることにもデメリットはあります。多様性という面では、個性が強くなればそれだけ人間関係の争いも起きます。また、自分のチームに資源を一番得たいと思うため、必ずしも良いチームに資源が回るとは限りません。逆に争いを無くすため均等にしてしまえば、競争意欲も成長意欲も失せていきます。そうなったら「不統一」の良い面は現れません。
だからこそ、経営側がまず考えるべきは”資源の分配方法をどうするか”を決めることです(先程言った資源をどこで仕入れるかの次に考えることとして)。
すべての店舗を同じ基準にすれば管理はしやすいですが、現場からの士気は下がっていきます。それよりもある程度のレベルに達することができたなら、そのチームや店舗毎で自由に決められる余白を残した方が士気は上がります。経営側が決めることは本当の意味で”公正”に資源が分配される仕組みです。現場サイドがより資源を有効活用できるようになり、より大きな結果が期待できます。
分配方法という意味では、賞与等をどう決めるかも、従業員の意欲を高め、ポテンシャルを発揮するためには重要です。しっかり従業員のことも考えて決めて欲しいものですね。
さて、ここまで『銃・病原菌・鉄』の自分なりの要約と考察をしていきました。もう一度キーワードをおさらいします。
- 銃→強みの発明と普及
- 病原菌→逆境とそれに対する免疫力と抵抗策
- 鉄→資源の採集と活用
これらに共通して言えるのは、プラスもマイナスも強みになりうるということです。必要なのは発想の転換。既に持っているものや近くにあるものを強みに変えるためには、自分の環境を冷静に分析し、対応していくことが重要です。
企業側は”環境”と”仕組み”の重要性を認識しましょう。精神論や仕事論だけで成果を出そうとするよりも、ルールや設備投資、福利厚生を変えていく方が実は大きな成果が出ることを知りましょう。
新型コロナウイルス感染症拡大、新技術の導入、新しい世代の誕生など。時代が変わるちょうどこの時、おさえておきたい原理・原則があります。
苦しい環境にいる人こそ、歴史やこういった本から学んで欲しいと願います。
参考文献

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