こんにちは、ムギです。
今回は「『平家物語』に見る人の世」をテーマにお話します。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」
『平家物語』の冒頭の有名な一文です。琵琶法師が弾き語りで伝えたと言われる日本の代表的な古典ですが、この一文は今なお色褪せることはありません。これほど人の世を端的に表したものはあるのでしょうか?
『平家物語』は平清盛を始めとする平家と源氏の争いを描いた戦記物です。作者不定ですが、源氏側の人間が歴史を語るための一大プロジェクトとして作ったと謂われているようです。平清盛の悪行とその他の平家と天皇家の行く末が語られる一方、源氏側の華やかな活躍の場面や名勝負が鮮やかに描かれています。
冒頭の文章しか覚えていない人でも、那須与一が扇に矢を射る場面は思い出すのではないでしょうか。また、源義経が活躍する場面、源頼朝に妬まれ追われる立場になる場面などが印象に残ります。
原文を読むのは難しいし、そのまま現代語訳したのは長くて初心者には難しいので、名場面を抜粋したビギナーズ版や漫画版から入るのがお勧めです。気に入った場面が見つかったらそこだけ是非古語で読んでみると面白いです。
『平家物語』が悪政はいつまでも栄えることはできないという教訓めいた話だけではありません。まさしく「諸行無常の響き」と「盛者必衰の理」が描かれているのです。
平家に立ち向かい勝利をおさめ、英雄のように称賛された人物であってもいづれ衰退します。木曽義仲や源義経などがそうです。そして抗争に巻き揉まれた家来や女達の苦悩も描かれています。
こういった政権の移ろい、抗争、それに巻き込まれた者達の苦悩は私たちも理解することができます。
今の政治もそうです。そして、皆さんが勤めている会社でも同じようなことが起こっている人はいると思います。
店長や管理者が何度も変わっている職場は要注意です。社員だろうがパート・アルバイトだろうと、一番強く関わるのは上司・リーダーとなる人です。そのリーダーが何度も変わったら職場としての足場固めができず、部下は不安になります。それほどリーダーは影響力があるのです。
今はパワハラやセクハラ、モラハラなどの問題意識が高くなったのでヤバいリーダーというのはいなくなってきています(そのはずです)。しかし、それでも横柄な態度を取ったり理不尽なことを要求する人はいるでしょう。
そういうリーダーがいたらまずは第三者に相談しましょう。今は企業の中にそういった相談窓口を作っているところもあります。ない場合は労働基準監督署や弁護士、そこまでいかなくてもいい場合は職場のトラブルを中心に聞いてくれるカウンセリングなどを使うことをお勧めします。それで解決しないぐらいならその職場を去る方が賢明かもしれません。いずれの場合も記録や証拠は残しておきましょう。
しかし、そこまでして何とかしようと考えていないのなら、記録や証拠だけは残しておき、あとは成り行きに任せるのも一つの手です。なぜなら悪政は長続きしないからです。
悪いリーダーがいると企業としての結果が出なくなり社員は減ります。社員のやる気はなくなり、職場に活気が出なくなります。そうなった時、会社が一番疑うのはリーダーの行動です。冷たいと思うかもしれませんが、悪いリーダーは何か問題や事件にならなければ気がつかないのです。もちろん何か起こりそうだと分かっていたなら上司に報告や注意は行動で示すべきです。そうしておけば「こちらは前に上司に言ったのに行動や改善してくれませんでした」と主張することができます。
部下の立場で考えるべきことは「リーダーも人なのだ」と自覚することです。理想のリーダーに巡り会う確率は低いですよね。理想をいつまでも追い求めるよりは、そこまで悪いわけではないリーダーなら頼るところは頼り、悪いところはこちらがフォローするのが良い関係ではないでしょうか。
もし、あなたの会社が順風満帆で、絶好調だと思えるならそれはそれでいいでしょう。しかし、その成功がいつまでも続くとは考えてはいけません。時代の変化、社会の変化、顧客の変化に敏感でいないと足元を掬われます。調子の良い時こそ緊張感が必要になってきます。
現状だけを見て一喜一憂するのは一流のビジネスマンとは言えません。先を考え、良い方向に部下を舵取り出来るのが良いリーダーです。そしてそういうリーダーがいる会社に働くことが部下の務めです。その間を取り持ちながらリーダーに華を持たせるのが良いサポーター・サブポジションであり中間管理職などのマネジメントが活かせる分野です。
そういった面からみても『平家物語』から学べること・感じることは多くあるのです。
「おごれる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し、猛き人もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」
職場や政治・社会の波乱や移り変わりがある度、この文章が頭の中に響くのです。
関連記事「働きやすさ改革」
