マキアヴェッリの伝えたかった思い②

こんにちは、ムギです。

今回は前回に引き続き、「今こそ読みたい『君主論』」をテーマにお話しします。

前回の「マキアヴェッリの伝えたかった思い①」はこちら

『君主論』はマキアヴェリズム(Machiavellism)の語源にもなったニッコロ・マキアヴェッリが書いたイタリアの作品です。「君主とはどうあるべきか」を次期君主のロレンツォ・デ・メディチに贈呈した本とされています。

全26章の短編から出来ており、前半は「君主政体論」、後半が作品の主題である「君主論」とされています。前回は前半の「君主政体論」の話をしました。

その中でマキアヴェッリはどういう君主であるべきかをこう綴っています。

「君主は、慕われないまでも、憎まれることを避けながら、恐れられる存在にならねばならない」

これがマキアヴェッリの基本理念です。それを元に、自分の立場、周辺、時代を考えて行動すれば、良き君主になれると言っています。国家の安泰のためには、あくまで人道に基づき、時には嫌な役回りもしなければならないのが君主の務めです。

では、良き君主になるためにどんな資質が必要でしょうか?それを述べているのが後半の「君主論」です。

マキアヴェッリが君主に必要な資質として、何度も言うキーワードがあります。それが”運命”と”力量”です。

「運命(fortuna)」と「力量(virutu)」は言葉の通りではありますが、これらが君主の盛衰に関わってきます。運命は時代・土地柄・出来事などの外的要因、力量は君主自身の性格や政治的手腕などの内的要因です。

当然ながら君主は力量がなければ国を治めることはできません。運の良さだけで成り上がった人物は周囲の状況が一変したら崩れてしまいます。逆に力量がある君主はどんな苦しい状況も乗り越えることが出来ます。そういう君主は『7つの習慣』でいうところの自分でコントロールできない範囲とできる範囲を理解し、行動・決断できます。

力量を上げるのはやはり”教養”と”人望”です。当然君主が無知で傲慢な国家は衰退します。貴族や議員の中のことしか分からないのも同様です。誠実さや謙虚さも国民は見ています。発言にも気をつけて欲しいものです。

とはいえ君主は自分の力量を周りに知らしめることも必要になります。そのためには、やはり君主として何か大きな事業を成功させるのが一番です。特にそれを君主になって早いうちに出来れば、周囲の人達はその君主を信頼してくれ、以後も君主のいうことも聞いてくれるでしょう。

自分自身の力量だけでなく、周囲の人にも力量を求めます。具体的には、力量のある人々を厚遇し、一芸に秀でた人物達を賞賛することです。そして商業・農業、また他の職業においても自分たちの仕事に専念できるように、自国の市民を励まします。そのために法律やインフラを整えるのです。時には違反した者を厳しく取り締まることも必要です。それが出来たなら経済活動が促進され、市民は安心して暮らせるようになります。

これらがマキアヴェッリが人道を重んじながらも、国家利益を主体に置いている考えです。宗教を中心に置いていた国家から市場経済の発展を中心にしてきました。

しかし、どんなにいい君主でも運命には逆らえない時があります。直近でも、ここまで世界的にパンデミックが起きることを予想し、阻止できた国はどれほどあったでしょうか?日本ではさらに自然災害も発生します。人災も時に起きます。これらを完全に予測できたら誰も苦労しません。

こういった悪い事が起きた時にトップとして何をするかを国民は見ています。どれほど国民に寄り添って迅速に、かつ効果的なことができるかを見ています。今回の日本政府の対応はその点はどうだったでしょうか?

第25章においてマキアヴェッリは運命がどれほど国家に関わるか言及しています。その中で運命を”女性”として例えているのが印象的でした。そして、運命を味方につけたいなら、慎重であるよりも果敢である方がまだいいと述べています。

当然君主の判断は全国民に関わります。国家のお金は国民の税金です。だからこそどう使われるかは常に監視されます。慎重に決めなければいけないのは当然でしょう。

給付金、支援金、規制、自衛隊や軍の派遣などの決断は大きな責任を伴うものです。してもしなくても、遅かれ早かれ、間違っていても正しくても批判されます。

しかし、答弁を続けるだけで決断を先延ばしにするのは、その問題をさらに大きくしてしまうことがあります。最悪の場合、取り返しのつかない事態にまで発展させることもあります。

だからこそ、君主は果敢でなければならず、適切な判断を下すためには広い教養と周囲の信頼が必要なのです。

これらは君主や国家のトップの話をしてきましたが、企業などのトップや組織のリーダーにも同様に言えます。『君主論』が文学としてだけでなく自己啓発としても薦められている理由はそこにあります。まさに「リーダー論」とも言えるでしょう。

『孫子の兵法』『7つの習慣』『ドラッカーのマネジメント』など経営者なら必読のような本は多くの知己を与えてくれます。時代が変わっても通ずる原理原則のようなものが『君主論』にもあります。

トップとしてどうあるべきか分からない。周囲の人たちが何度言っても思うように動いてくれない。いい人なのに成果の方はイマイチ。周囲の意見が怖くてなかなか決断ができない。

リーダーとしてこんな悩みにぶち当たったなら、この機会にぜひ『君主論』も読んでみてはいかがでしょうか?

今こそマキアヴェッリが”あなた”のために教えてくれるでしょう。リーダーとはどうあるべきかを・・・


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投稿者: ムギ

介護施設の事務員をやってる30代男です。商業高校卒業後、調理師専門学校入学、調理師としてホテルのフランス料理レストランに勤務。その後、地元のレストラン、漬け物工場、回転寿司屋、ステーキ屋と働き現在の職に転職しました。現在は介護福祉士の資格取得のため勉強中です。

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